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苺(イチゴ)

バラ科オランダイチゴ属
英語名:Strawberry
仏語名:Fraise
ビタミンCの王様といわれ、ジャムやお菓子、ケーキ、ジュースなど、本当に広い範囲で人気のある苺。色の美しさ、甘みと酸味の絶妙なマッチングで、特にお子様や女性からの人気は絶大ですね。今回は、その苺の魅力と蘊蓄をご紹介します。

イチゴの由来と特徴

現在一般的に「イチゴ」と呼ばれているのは栽培苺のことで、古来から野に自生しているキイチゴなどは一線を画します。苺はオランダ人により、江戸時代末期に初めて日本に伝えられたました。正式名称がオランダイチゴというのも、これに起因しています。本格的に導入されたのは明治に入ってからで、フランスからの品種でした。
もともと栽培苺は、北アメリカ原産のバージニア苺と南アメリカ原産のチリ苺がヨーロッパで交雑して原型を成したといわれています。
現在日本国内では非常に多くの品種が栽培されていますが、最初に広く栽培されたのは明治末期に導入されたジェネラル・ジャンジーから育成された「福羽」でした。
1960年代までは5~6月に食される季節性の高い果実でしたが、栽培方法の改善や品種改良などにより、今では1月~3月を旬としながらも、ほぼ通年で供給されるようになりました。 1960年頃から大型のビニールハウス栽培が主流になっています。
現在国内で人気を二分しているのが、西日本の「とよのか」と東日本の「女峰」です。苺は、つややかで赤い色が美しく、甘味にも酸味にも富むため、生食はもちろんのこと、ケーキなどのお菓子類、ジャム、ジュース、リキュール、カクテルなど、非常に広い用途で楽しまれています。

イチゴの効能

特にビタミンCに富み、カリウム、ブドウ糖、果糖、リンゴ酸、クエン酸なども多く含むため、美容の他、貧血、疲労回復、風邪予防などにもよいといわれています。ビタミンCの含有率は100gあたり80mgと非常に高いもので、ビタミンCの王様といわれる所以です。

主な品種

福羽(ふくば)

国内促成栽培品種の草分けであり、かつての代表品種。1900.年頃、東京の新宿御苑で育成された。大正時代から昭和初期にかけて、関東から東海へ広まり、静岡県久能山の「石垣いちご」としても栽培される。
縦に長い大型の果実で、色が鮮やかで味もよいため、高級品種として一世を風靡した。1960年以降は新しい品種に取って代わられたが、育種親として「麗紅」「芳玉」「秋香」などを生む。

はるのか

福岡県久留米の野菜試験場で「促成2号」と米国品種の「ダナー」を親として1967年に誕生した品種。果実は大型で円錐形。香り高く、糖度も高いが酸味は少ない。
育種親として今日の代表品種「とよのか」や「女峰」を生んでいる。

麗紅(れいこう)

1976年に千葉県農業試験場で誕生した品種で、「福羽」と「はるのか」の交雑から生まれた。倒円錐形の大きな果実で、収穫量が多いのが特長。光沢のある鮮紅色で、糖度、酸味ともに富み、香りも高い。

とよのか

1973年に久留米の農業試験場支場で育成され、1984年に農林登録されている。
「はるのか」と「ひみこ」を交雑して得られた品種で、特に温暖な地域での栽培に適するため、九州を中心に西日本で栽培されている。今日の代表品種のひとつであり、大果で甘味と酸味のバランスもよく、香りにも富む。多汁で生食に適する。
つややかで、鮮やかな紅色であるのも人気の一因。

女峰(にょほう)

栃木農業試験場で1984年に誕生した品種で、「麗紅」と「はるのか×ダナー」を親として作出された。円錐形の大果で、甘味・酸味に富み、香りもあり、多汁。
「とよのか」と人気を二分する今日の代表品種で、栃木県を中心に東日本で多く栽培されている。生食の他、デザートやケーキ用としても人気が高い。

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