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蜜柑(ミカン)

柑橘類ミカン科ミカン属
英語名:Satsuma mandarin
仏語名:mandarine Satsuma
柑橘類の中でも最もポピュラーで親しみやすい果実、ミカン。今回の特集では特に温州蜜柑(ウンシュウミカン)に代表される国内産のミカンをご紹介します。

蜜柑の由来と特徴

非常に品種が多彩な柑橘類の中で、果皮がうすく皮がむきやすい一群がミカンと分類されています。起源は非常に古く中国が原産地とされていますが、日本に渡来した年代は明らかになっていません。しかしながら、かなり古くから民間で食されていたことは間違いありません。日本では江戸時代までは紀州蜜柑(キシュウミカン)が代表的な品種でしたが、温州蜜柑が広まるようになってからは、温州蜜柑が圧倒的な代表品種として知られています。冬の代表的な果実でもあり、庶民の生活に広く深く密着し、一昔前までは「こたつでミカン」というのが冬のくつろぎのスタイルでした。用途も広く、おもに生食される他、ジュースや缶詰などの加工食品としても多く出回っています。樹は常緑低高木で、初夏に白い可憐な花をつけます。

蜜柑の効能

主成分は、しょ糖、果糖、ブドウ糖、クエン酸などで、ビタミンCを多く含み、同時にカロチンやビタミンEも含まれています。一般的には疲労回復や食欲増進、咳止め、健胃、美容などに効果があるといわれています。また漢方ではミカンの皮を乾燥させたものを陳皮といって健胃、解毒、咳止めなどに使われています。

主な品種

温州蜜柑(ウンシュウミカン)

ミカンの代表的品種で江戸時代初期に鹿児島県長島で生まれたと云われています。これが欧文名に薩摩という言葉が使われている所以です。皮が薄く、むきやすく、種がないのが大きな特徴です。他の品種に比べ酸味が少なく甘みが強いののも、人気の理由となっていると思われます。
9月下旬に収穫できる極早生から、12月中旬に収穫して貯蔵し3月頃まで出荷される晩生まで多くの品種を持っています。ハウスものも栽培されていて、これは5月から9月にかけて出回りますので、年間を通して楽しむことができます。

紀州蜜柑(キシュウミカン)

江戸時代までは日本の代表的柑橘類でした。紀伊国屋文左衛門が嵐の中を決死の覚悟で紀州から江戸まで運び、千金を掴んだという有名な逸話でも知られています。小蜜柑(コミカン)とも呼ばれているように果実は小ぶりで、種があるのが大きな特徴ですが、味や香りは非常に豊かです。しかしながら小果であるため、明治時代以降はミカンの主役の座を温州蜜柑に譲っています。
現在も和歌山県が主な産地で、鹿児島県でも栽培されています。

伊予柑(イヨカン)

名前が示す通り愛媛県(伊予)で多く生産されている品種で、ミカンの仲間では温州蜜柑に次ぐ生産高があります。1886(明治6)年に山口県で発見されましたが、愛媛県に導入されてから飛躍的に普及しました。
果実は大きく果皮は赤橙色、皮は厚めですが皮がもろいため剥きやすくなっています。芳香、酸味に富み、おもに生食される他、ゼリーやマーマレードなどに加工されることもあります。

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