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林檎(リンゴ)

バラ科リンゴ属
英語名:apple
仏語名:pomme
世界中で古くから最もポピュラーな果物といえば、リンゴ。太古の昔から人々の生活に寄り添い、旧約聖書や神話などにも登場します。生食はもちろん、お酒、加工品など、その用途は本当に多彩。今回は、そんな「果物中の果物」ともいえるリンゴのご紹介をしましょう。

リンゴの由来と特徴

リンゴ栽培の起源は、約4000年前のスイス湖棲民族時代にさかのぼると云われ、以来ずっとヨーロッパでは非常に重要な果樹として栽培され続けています。18世紀後半以降は世界中で品種改良が進められ、現在までに約2万5000種以上が報告されているそうです。全世界トータルの生産量は、2008年のデータで約6960万トン。国別では、中国が近年急成長を遂げ、第1位として全世界の約40%以上を生産しています。日本への本格的な西洋リンゴの渡来は明治初期で、最初は外来品種が栽培されていましたが、第二次大戦以後は国内品種が多く育成。県別の生産量では、青森県がトップで全国の約54%、次いで長野県が約20%を生産しています。
リンゴはバラ科の落葉高木で、晩春期に5弁の美しい花をつけ、主に9月から11月にかけて収穫されます。果肉の味は品種によって多少異なりますが、酸味と甘みに富み、生のまま食用にされるほか、ジュースやジャムなどの加工品やアップルパイやタルトなど、お菓子の材料としても多用されています。またヨーロッパでは、古くからカルバドスやシードルなど、リンゴを使ったお酒も愛飲されています。

リンゴの効能

水分が約85%と多く、食物繊維やビタミンC、カリウムが豊富で、西洋で「1日1個のリンゴが医者を遠ざける」ことわざがあるように、栄養価が高い果物として食されていました。繊維質・ペクチンの整腸作用による便秘解消、血糖値の正常化、動脈硬化の防止、カリウムによる血圧降下、リンゴ酸の消炎効果などの効能があるといわれています。

主な品種

ふじ

青森県農林省園芸試験場で開発、1964年に登録された品種。現在、世界でも国内でも一番多く生産されている。果実は大きく、糖度が高く、酸味が少なく、果汁も多い。日もち性にも優れ、世界的な最重要品種となっている。

紅玉(こうぎょく)

1871(明治4)年に導入された外来品種。円形で鮮紅色の美しい外見、酸味が強く爽やかな口当たりで、国内では1968年頃まではリンゴの代名詞のような存在であった。アップルパイなどの加工用に用いられることも多い。

つがる

青森県りんご試験場で1930(昭和5)年に育成された品種。300~350gの大果で、甘みや果汁に富み、食味は良好である。

ジョナゴールド

アメリカ合衆国ニューヨーク州で1943年に育成され、日本には1970年に導入。500g前後の大果であり、甘みと酸味のバランスがよい。ジュースや料理用にも多く用いられる。

王林(おうりん)

緑色から黄緑色の果皮に斑点がついた外見が特徴。甘みが強く果汁も豊富で、独特の芳香を持っている。1952(昭和27)年に福島県で誕生した。

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