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桃(モモ)

バラ科サクラ属
英語名:peach
仏語名:pe^che
日本では古くから愛されてきた果実、桃。その親密度は「桃太郎」という民話が生まれたことでも分かります。甘く柔らかく果汁に富む、夏の果実の代表的な桃をくわしくご紹介しましょう。

桃の由来と特徴

桃はバラ科の落葉性小高木で、中国の黄河流域でも上流地域にあたる甘粛省や陝西省の高原地帯が原産と云われています。果実は球形で、表面に短い柔毛が 密生しており、果皮は白や淡黄色の地に紅色が着色しています。果肉も白と黄色のものがあり、それぞれ白桃、黄桃と呼ばれています。
中国では非常に古くから食されており、日本へは弥生時代に伝播、ペルシャへは既に紀元前に伝わっていたとのことです。日本では江戸時代に日本各地に産地が形成されましたが、現在の品種は明治になってから中国や欧米から導入された品種を元にその後育成されたものです。主な産地としては、山梨・福島・岡山・和歌山の各県が有名。3月下旬から4月初めにきれいなピンク色の花をつけ、6月から9月にかけて熟すので、夏から初秋にかけて果実店やスーパーの店頭を賑わせます。
味は甘みに富んで水分を多く含み、生食を中心にケーキやリキュールなどの加工食品まで、世界中で非常に広く親しまれています。

桃の効能

桃の主成分は、しょ糖を主とする果糖です。食物繊維のペクチンを多く含むため、肥満の予防や改善に効果があるといわれていますが、最近、インスリンの働きを活発にする成分が含まれていることが判明し、糖尿病などなの予防効果の可能性も少し期待されています。黄桃はカロチンやカリウムを多く含んでいます。また、桃の葉は古来より汗疹(あせも)や湿疹によいといわれ、民間療法に用いられてきました。

主な品種

白鳳(はくほう)

代表的な品種のひとつで、昭和初期に神奈川県農事試験場で発表された白肉種。早く成熟し、繊維が少なく果汁が多い。甘みが強く、酸味が少ない。また、日持ちが良いのも特徴。

大久保(おおくぼ)

昭和初期に岡山県の大久保重五郎によって育成された品種。缶詰に多く使われ、かつては桃の代表品種であったが、味が淡泊であることから、近年では栽培が減っている。

あかつき

神奈川県平塚市の農林省園芸試験場で白桃と白鳳を交配したもので、1979年に発表された比較的新しい品種。肉質は緻密で多汁、甘みが非常に強く、酸味は少ない。日持ちも良い。

日川白鳳(ひかわはくほう)

白鳳の枝変わり品種で、山梨県で発見され、1981年に登録された。早生種の代表的なもので、品質に優れ日持ちも良いく、栽培量が増加している。酸味が少なく多汁。

清水白桃(しみずはくとう)

昭和初期に岡山市で発見。果皮が白く、赤く着色しないのが見た目の大きな特徴である。果実は大ぶりで、果肉が柔らかく味に優れている反面、日持ちはあまり良くない。

川中島白桃(かわなかじまはくとう)

長野市で1971年に発見された、晩生の白肉種。果皮の赤味が強く、非常に大玉であり日持ちも良いので、栽培が増えている。

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