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Topic5:阿剌吉酒

南蛮渡来の蒸留酒(焼酎)は江戸時代を通して阿剌吉(あらき)酒と呼ばれていました。
この「あらき」という呼び名は東南アジアやインドその他の広い地域で飲まれていた蒸留酒「アラック」がなまったもので、Topic1でもご紹介した蒸留器「アランビック」と語源を一にしています。その語源とはアラビア語の「汗」arrakといわれています。
いかにもポタリポタリと蒸気が液化されて強いお酒が生まれる蒸留酒らしいですね。
阿剌吉(あらき)酒は荒木酒とも書かれ、江戸時代初期の文献「本朝食鑑」には『荒木酒よく疝積(胃や腸の痛み)を治す』という記述があります。
他にも薬効が記述されている文献は多く、阿剌吉(荒木)酒は一般の焼酎や泡盛と一線を画したもので、薬用蒸留酒のことであったとする説もあります。
阿剌吉酒の名前は北原白秋の詩集『邪宗門』の「邪宗門秘曲」にも登場しますので、一節をご紹介しておきます。この邪宗門は明治42年に白秋のデビュー作として文壇に発表され大きな衝撃をもって迎えられたものです。

邪宗門秘曲 北原白秋

われは思ふ、末世の邪宗、切支丹でうすの魔法、
黒船の加比丹を、紅毛の不可思議国を、
色赤きびいどろを、匂い鋭きあんじゃべいいる、
南蛮の桟留縞を、はた、阿剌吉、珍陀の酒を。
(以下続く...) 
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