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レモン

ミカン科
英語名:lemon
仏語名:citron
中国語名:檸檬
鮮やかな黄色と強烈な酸味が古くから世界中の人達に愛されてきたレモン。その用途は本当に多彩。今回はビタミンCの代名詞にもなっているレモンをご紹介します。

レモンの由来と特徴

レモンは香酸柑橘の代表選手。香酸柑橘とは、柑橘類の中でも生食には適さないながら、酸含有量が高く爽やかな香りと酸味を持ち、さまざまな料理の調味料や薬味として広く賞味されているものです。レモンの他には、ライム、柚子、スダチ、カボスなどがよく知られていますね。
さて、そのレモンはインド北東部が原産地で現在はアメリカ、イタリア、スペインなどで主に生産されています。本当に古くからビタミンCの供給源として、料理の味付けとして、世界中で多くの人々の生活に深くかかわってきました。古くは中国の歴代皇帝が「檸檬」から作ったレモネードを愛飲していたという話もあります。
レモン樹 ヨーロッパでは、15~16世紀の「大航海時代」に壊血病の予防によいということで船乗り達の間で大いに人気があったそうです。本格的にアメリカで栽培されるようになったのは1840年以降。宣教師達がアリゾナやカリフォルニアにレモンを植え始め、ビタミンCたっぷりのレモンはゴールドラッシュの波に乗って健康によいということで大いに愛されるようになったのです。
日本国内でも瀬戸内海の島や和歌山などで生産されていますが、生産量は少なく、店頭に並ぶレモンは殆どがアメリカからの輸入品です。
その用途は本当に多彩で、肉や魚料理の味付け香り付けから、ジュース、清涼飲料水、リキュール、ケーキ、お菓子などに広く使われる他、洗顔剤や美容関連商品の原料としても利用されています。一年中いつでもコンスタントに入手できますが、旬は9月~12月です。

レモンの効能

ビタミンCを非常に多く含み、風邪の予防から食欲増進、美容まで多くの効能があるといわれています。またクエン酸には疲労によって体内にたまった乳酸を分解する作用があり疲労回復にも有効。腐敗菌の繁殖を抑える働きや漂白作用にも注目されており、美容・健康分野では本当に幅広い活躍をしています。

レモンの品種

品種としては「リスボン」と「ユーレカ」が二大品種ですが、
この2つは非常によく似ていて特徴の差異は殆どないようです。

豆知識

その1 レモン○○個分のビタミンC

よくビタミンC飲料などで「レモン○○個分のビタミンC」という表現がされていますが、これはレモンの果汁を絞った中に含まれるビタミンCの量で、1個あたり20mgが基準になっています。ただし、実際には果肉よりも果皮の方がビタミンCの含有量が多く、果皮を含めるとレモン1個で約190mgのビタミンCを含んでいるそうです。

その2 「檸檬(れもん)」という短編小説

近代文学の作家梶井基次郎の代表作「檸檬」。梶井は1901(明治34)年に生まれ、1932(昭和7)年に31才の若さで肺結核のために没しました。
「檸檬」は1924年、彼が23才の時の作品で、同名の短編集に収められています。 京都を舞台にした、ごくごく短い小説で、レモンの手触りの冷たさや、芳しい香り、そして鮮やかな色彩が主人公の想像力や妄想を刺激し、なんとも幻想的な世界が展開。読者を不思議な世界に誘ってくれる秀作です。

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